チェンジ・ザ・ワールドの破産に思う

三木

2023年03月03日 20:18

酒田に本社を置くチェンジ・ザ・ワールドが2月27日に破産した。

ここの社長が以前東京で経営していた会社の破産と社長個人の自己破産が認められたのが2016年1月14日なので、再度の自己破産が認められる7年を経過したタイミングでの破産申請(1月14日以降か?)と決定(2月27日)なのかも知れない。
もしそうだとするならば、あと10日から2週間程で官報に破産申請の情報が載るはずである。

今回の破産は2022年6月1日に預託等取引(オーナー商法)に関する法律が改正施行されたことが原因のようであるが、
国会で同法改正が成立したのがそれより約1年前の2021年6月9日であるから、施行されるまで何らかの対策が取れなかったものかと思ってしまう。

そもそも会社の主軸事業をオーナー商法に据えてしまう、というのが間違いだったのだろう。

端的に言えばこの会社の目的はグリーンエネルギー(太陽光発電)を普及させて利益を生むということであろう。
であるならば、利益率を最大化して太陽光パネルの設置を拡大再生産するのがベストであって、アプリ開発やらオーナー管理やらは全くの無駄なコストでしかない。

株式会社であるのだから株を発行して資金を募り、その資金でパネルを設置すればいいだけの話であろう。
CO2削減や環境問題に寄与したい一般投資家も、その株を買えば社会的に貢献できるのである。利益が上がれば配当も出るだろう。

業績が拡大して上場すればそれこそ証券会社を通じて「スマホで(間接的に)買える太陽光発電所」となるのである。

無理にITを絡めて今風の体裁を取っているだけで、目的からは遠ざかっていたのではないか?と思われて仕方ない。

以前この社長が所属する「日本西海岸計画」なる社団法人のパーティに誘われたことがあった。若手の経営者やなんとなく凄い人達の集まりという感じである。誰から誘われたのかは忘れたが。

酒田のホテルの最上階を貸し切って行われたものだったと記憶しているが、どうにも騒がしく浮ついていて、とても責任ある経営者集団とは感じられなかったものだ。

経営者は顧客に対しては満足のいくサービスを、従業員に対しては契約通りの報酬を、株主に対してはより高い配当を出すのが使命であり、もちろん重責である。
日々その責任と向き合っていれば、自然公の場では慎み深くなるものだろう。

社長や西海岸計画の理念は素晴らしいと思うが、暗い冬をじっと我慢して乗り切る庄内人のような実直さが欠けているように思う。

あの社長に大経営者としての器があるのか無いのかは神のみぞ知るところであろうが、もし今まで作った負債以上の利益を生きている間に作り出せないのであれば、その証明は永遠にできないであろう。




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